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ブラアカ引退記事② あるるのドラム史(前編:2016年度)

ドラム演奏に用いられる背もたれのない椅子には、「Throne(スローン)」という名前があります。その意味は王様が座る“玉座”。バンドを後ろから率いる唯一の存在として、ドラム奏者の影響力・存在感は王様にも等しいということなのでしょうか。

中高時代にはそれほど力を入れて練習しなかった(高校時代はむしろ敬遠していた)ドラムに対し、狂ったように熱を上げ、暇と持ち曲がある限り練習し続ける日々こそが、我がブラアカ生活・後半のハイライトであり、前の大学では体験させてもらえなかった「遅れてきた青春」そのものだったように感じます。

 

2016年2月からわずか2年で14曲、延べ18回もの舞台で“玉座”に身を置かせていただいたことになります。歴代ブラアカ打楽器奏者でも指折りの多さでしょう。決して巧い奏者とはいえないぼくのチャレンジを受け入れてくれる、この団体の度量の深さに、本当に感謝しています。

今回は、他の誰のためでもなく自分のために、これまでにドラムを担当した曲について、覚えていることをつらつらと書き出していきます。こんなもん印刷物に載せた日にはなぐられちゃいますよね

 

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①Happiness(2016年3月1日  訪問演奏会)

2016訪問演奏会の3曲目。♪ファンタズミック!→♪希空の次、場がそこそこ温まってからの出番なのでやりやすかった記憶があります。
ミュージックエイト(M8)の譜面とはいえ、バスドラムとスネアドラムで表裏を「ドンタンドンタン」叩くだけでも、初心者にはどうしてもテンポの伸び縮みが生じてしまう。しかもよりによってスネアドラムのフィルインから始まる編曲だったため、副指揮から「そのドラムじゃ曲始められん」「メトロノームを使って練習してください」と厳しく言われつづけた記憶があります。他のブラアカ曲や春アン3枠の練習を並行するのは結構しんどかったですが、なんとか本番前には形になりました。

本番ではあたたかい手拍子を頂き、生徒さんからのアンコールにより2度目の演奏もやりました。コンサートホールではなかなか難しいけれど、手拍子ってやつは最高のメトロノームです(当然安定しないこともあるけど、嬉しいからこっちから合わせにいっちゃいますよね)

 

 

②花は咲く(2016年3月1日  訪問演奏会)

同じく2016訪問演奏会、シメの一曲。自分が吹奏楽をやっていた中高時代にはウィンズスコアがたぶんなかったので、実は初めてのウィンズスコアでした。ミュージックエイトに比べると譜面のグレードが高く、ドラム譜もおしゃれな感じ。当時の自分には譜面どおりに叩けなかったような記憶があるけれど、バラードにおけるトム回しのおもしろさを知りました(そもそも原曲にドラムないからすごい)。

ドラムよりはむしろ、前半に地味にあるスネアドラムのほうに緊張していました。ああいうクラシック的なスネアの譜面って意外と少ないもんですから。そういえば最も苦手なスネアドラムは全く克服しないまま引退するね…

 

 

塔の上のラプンツェルメドレー(2016年3月7日 春のアンサンブル大会「みやとくアンサンブルファイナル」)

引退するオーボエ奏者・みやてつさんからの「ドラムできたりする?」というオファーに二つ返事してしまい、木打アンサンブルに参加。ドラムの練習時間がさらに増加したことをちょっぴり後悔しつつも、練習中はメンバーの皆々様がやさしく見守ってくださいました。

いま本番の録画を見返すと、ハイハットの踏みかたが間違っていたり(説明は省きますが、要は踏むときの音が出すぎ)、トムの打面角度がめっちゃ傾いていたりと、いろいろと初々しさがあります。アンサンブル自体は、打楽器パートの2つ上で一緒に参加したTさんをして「一番楽しかった」と言わしめた演奏でしたが、自分の技術的にはまだまだ発展途上…という感じでした。

後日談としては、2016定演2部メインの選曲でこの曲が宝島と決選投票になりましたね。こちらが選ばれていたらぼくがドラム(remake)をやっていたんでしょうか。

 

 

オーメンズ・オブ・ラブ(2016年4月14日 新歓演奏会/ 5月14日 五月祭演奏会)

2016新歓・五月祭pops。最初に「難しいとこ攻めよう」と決意した曲でした。譜割りのときパートの人はたいそう驚いたことと思います。まだまだテンポ維持に課題が多いぼくにとって、「BPM160」は相当な壁でした。

本番当日までハラハラしたのが、バスドラムペダリング。なかなか足が言うことを聞かない中、ヒールダウン(かかとをペダルにつけたまま、足首の動きでつま先を上げ下げする奏法)でよくがんばったなあと思います。一曲通しでやると足首からすねの辺りが毎回痛くなっていました。

このときのぼくのドラムは、正指揮から「なんで今日あんなに安定してたの」と言われるような成功ぶりでした。フルート医進2女(長髪のほう)にも好評だったらしいですね(ご本人は覚えてないかもしれませんが、上級生紹介パンフにてぼくの紹介ページにそう書いてありました)。

それから、五月祭演奏会の初回練にて、入ったばかりの1女がクラッシュシンバルをぶちかまして合奏が止まった想い出もあります(ちょっと穏やかになったバージョンが本番で採用されました)。あれが新潟流だったんですよね、なつかしい。

 

⑤じょいふる(2016年5月14日 ブラアカ路上ライブ!)

2016五月祭デモバンの2曲目。指揮者がいきものがかりの原曲をあまり知らなかったのか、あるいは知りすぎていたのか(勝手な推測ですが)、譜面表記より2段階ほど速い、BPM170台のテンポで振ってくるのがとても大変でした。本番ではリムショットが全然当たらず、イマイチ決まらない感じになってしまったけれど、長期的な練習の成果か、だんだんスティックさばきが速くなってきている、そんな過渡期の曲でした。

 

 

*Happiness(remake) (2016年11月26日 ブラアカ路上ライブ!)

2016駒場祭デモバンの3曲目。駆け出しの次期副指揮を支えるぞ~と思い、前述①の頃から譜面をかなりリニューアルしました(やや原曲に寄せた)。指揮者もぼくも緊張したのか、本番だけ爆速だったのに、全然自分では気がつきませんでした。

高身長トランペッターでおなじみ、Nくんの司会きっかけでフィルインを始めたので「ぜひ、900番教室を目がけて走り出してください」という力強い口調のセリフを鮮明に覚えています。

演奏については、まあそこそこ安定していたと思います。サビの「走り出せ」でトランペットが実際にすごく走るので、テンポを留めるのが大変でした。それから、演出に参加するタンバリン…とにかく画期的でした。

 

 

⑥Mission:Impossible(2016年11月26日「ブラアカ映画祭!」)

2016駒場祭アンコール。やりたいことがそのままできた本番でした。打楽器パート2つ上のMさんから甚く褒められたり(終演後、ぺるあんの準備中にずっと曲の口笛を吹いていた)、同クラから「あの演奏には惚れた」と言われたりと、客観的には2年間でのベストパフォーマンスだったのではないかと思います。

譜面が指定するテンポは160だったはずなのに、練習では180を超え、本番では200に乗り、とにかく荒っぽい演奏になりました。ただ逆に言えばテンポが速すぎたおかげで、八分音符単位の刻みをあきらめ、音を抜くタイプの楽な構成を思いつけたのはラッキーでした(無理なく大音量を出せたので)。

ラストのフェルマータがかなり打率低かったけど、本番ではちゃんと決まってよかった(ライドに手をぶつけたけど)。管のみんなが全力でフェルマータを伸ばせる時間はおよそ4.5秒です。後世のドラム奏者へ引き継いでおきます。

 

⑦ディスコ・キッド(2017年2月5日 第22回定期演奏会)

2016定演アンコール。“2連続アンコール”ってところに調子乗ってる感がありますね。

ルーツが課題曲だなんて信じられないほどドラムの自由度が高く、1000人いれば1000通りの演奏がある曲です。4つの他団体演奏(ブラアカ先代(2014新歓・五月祭pops)/シエナブリヂストン久留米/課題曲参考演奏)を参考にし、生まれて初めて自作譜面を完成させました。我流のフィルインもいくつか考えて入れ込んであります。自分が考えた譜面、将来演奏する誰かにあげたいくらいの愛着があります。

 

しかし、結論から言えば本番の演奏は大失敗だった、というのはこちらに書いた通りです。

dai23nootoko.hateblo.jp

思うに、曲冒頭のハイハットの音質が自分の中であまり満足行く仕上がりでなかったことが、アンコールのプレッシャーに拍車をかけてしまったのだと思います。それから、アイデアが湧いたからとはいえ、直前にあれこれ入れ替えると本番で飛びやすくなるな…という教訓も得られました。

ともあれ、この大失敗を期にぼくの演奏は長期的スランプへ入ります。後編へつづく。